仮面高血圧とは?
高血圧にもたくさんの種類があります。
かくれ高血圧、早朝高血圧、ストレス性高血圧、二次性高血圧、本態性高血圧・・・・挙げればきりがありませんが、、、
ここでは、診察時血圧による分類を紹介します。
高血圧学会が示している図がわかりやすいので引用します。
それほど難しいものではありません。
- 診察室血圧での高血圧基準値(140/90)
- 診察室外血圧*1での高血圧基準値(それぞれの値)
で4分類するだけです。
持続性高血圧 > 仮面高血圧 > 白衣高血圧 > 非高血圧 の順に脳卒中や心臓病を発症するリスクが高くなります。
理由は、考えてみれば当たり前で、血圧は瞬間瞬間で大きく変動するので、1か月に1度測定するだけの診察室血圧よりも毎日毎日測定している家庭血圧の方が、よりリアルな血圧を反映しているからです。
高血圧治療ガイドライン2019を引用しますと、
血圧管理や薬効評価などの点で家庭血圧が診察室血圧よりも有用であると記されています。
これは極めて正しいのですが、家庭血圧にも問題があります。
それは測定値の信ぴょう性です。
家庭血圧は患者さんが報告する値です。
医師はその値をもとに治療法を選択します。
ですので、中には丁度いい感じの値を報告されている方もいらっしゃる方もいるかもしれませんが、都合のいいデータを集めて報告すると、本来施されるべき治療が選択されませんので、きちんと測定1回目と2回目の値を報告しましょう。
なお、家庭血圧の基準値は診察室血圧より5mmHg低く設定しただけであることは追記しておきます。*2
さて、ここからは仮面高血圧の話に移りましょう。
仮面高血圧の頻度は
- 非高血圧の一般住民の10-15%、
- 診察室血圧が140/90未満にコントロールされている高血圧治療中の高血圧患者の9-23%
とされています*3。
そして、原因はさまざまです。
多くの人は、1つだけではなく複数の原因が複雑に絡み合って仮面高血圧を発症しています。
私の場合も、これらのうちのどれにあたるかはわかりませんが、
仕事中に血圧測定すると160mmHgを超えていることがよくあるので
「職場での精神ストレス」は大きいようです。
いずれにしろ、特に私のような仮面高血圧の場合は、
診察室血圧がいくら下がっていても
家庭血圧がきちんと下がることを目標に治療をしていかなければなりません。
家庭血圧が高血圧 = 常に高血圧 ということですから。
余談ですが、
元都内某私立大学教授(高血圧専門)のC先生から聞いた話では、
白衣高血圧はそれほど高いリスクではないが、
若くして白衣高血圧になる方は、
年を経るうちに、
まず間違いなく高血圧になるので注意しないといけない。そうです。
*1:診察室外血圧:家庭血圧を採用するのが一般的です。24時間血圧は研究的な血圧測定であり、一般に使われることはまずないでしょう。昼間血圧、夜間血圧は、、、正直、知らない基準だったので、高血圧治療ガイドライン2019で調べました。それぞれ昼間の家庭血圧、夜間の家庭血圧とほぼ一緒のようです。
*2:高血圧に関する研究は古くから診察室血圧で行われてきました。そのため、高血圧に関する基準値はほぼすべて診察室血圧で作られています。一方で家庭血圧は歴史も浅く、患者さんの自己申告となるためその信ぴょう性に課題があります。そんな中、日本のとある研究で、診察室血圧と家庭血圧の差は大体5mmHgということが発表され、それをもとに「家庭血圧の基準は診断室血圧から5を引いた値」が採用され、現在でも踏襲されています。