通常の高血圧より怖い「原発性アルドステロン症」とは?
一か月ぶりにB先生の診療で
私がB先生に最も聞きたかったのは
「私は、二次性高血圧ではないだろうか?」という疑問です。
高血圧には、明確な原因がわからない「本態性高血圧」と
他の疾患の結果として高血圧の状態になっている「二次性高血圧」があることは下記のブログで紹介しましたが、
本態性高血圧と二次性高血圧では治療法も合併症発症のリスクも違うため、
私としては二次性高血圧の鑑別診断をしてほしいと思っていました。
そこで、私は率直にB先生に「二次性高血圧の可能性はないでしょうか?」と聞いてみました。
すると、B先生は、
「うん。。。その可能性はあるね。Spicaさんの血圧はすごく高かったし、急に上がってきたんだよね?それなら二次性高血圧の可能性はあるかもしれない」
「可能性として一番高いのは、原発性アルドステロン症だけど。。。」
「今、検査していく?そこでゴロンと30分くらい寝てもらって採血すれば調べられるけど。。。」と仰いました。
私は、待ってました!!!とばかりに「検査します!!」と即答しました。
原発性アルドステロン症は、二次性高血圧の中で最も頻度が高く、高血圧患者全体の5~15%と報告されています*1。
副腎からアルドステロンというホルモンが過剰に分泌されるために血圧が上昇する疾患ですが、アルドステロンは血圧を上昇させるだけではなく、直接、心臓や血管、脳、腎臓といった各種臓器に障害をもたらします。
そのため、通常の本態性高血圧と比較して、種々臓器障害のリスクが高くなります。
下記の表は、同じ血圧値の原発性アルドステロン症と一般的な高血圧症(本態性高血圧)における合併症の発症リスクを比較したデータですが、アルドステロン症の方が脳卒中は4.2倍、心筋梗塞は6.5倍ほど発症リスクが高くなっています。*2*3。
この表を見ると、もし自分が原発性アルドステロン症だったら・・・と、気が気ではありません。
だって、通常の高血圧の4倍とか6倍ですよ!!
「高血圧」のレベルをはるかに超えています。
「では、こちらで30分ほど横になってください。動かないでください。」
「30分経ちましたら声を掛けますので、動かないまま手だけ出してください。こちらで採血しますので」と看護師さんに言われ、30分間、ゴロンとしました。
・・・30分後・・・
「Spicaさ~ん。30分経ちましたので採血します。動かないでください。」
静かに採血されます。
これは、安静状態における血液中のアルドステロン量を測定する検査で、アルドステロンが高く、さらに、アルドステロンのもとになるレニンという物質が低ければ、原発性アルドステロン症の可能性がかなり高まります。
結果は、、、すぐには出ず、次回訪問時となりました。。。残念。
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すぐに結果が出ないのは仕方ないと思いますが、
仮に原発性アルドステロン症だとすると、脳卒中や心筋梗塞のリスクが通常の高血圧に比べて数倍高いので、
次回診療までの間は、
アルドステロンの働きを抑える薬も追加で処方して欲しかったのですが、
ちょっとそこまではB先生に言えず、
引き続きアムロジピン5㎎で様子を見ることになりました。